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3つのファシリテーションと2つの側面

地域おこし協力隊で活動しているときにお世話になっている方から「北村さんがやっていることはファシリテーションと言うんだよ」と教わり、自らファシリテーターと名乗るようになって5年くらい経ちます。日々活動していて、いろいろな種類のファシリテーターがいることを知りました。

今回はファシリテーションのことと私の思いをお伝えします。

3つのファシリテーション

「ファシリテーション」という言葉を知ってから、関連本を読み漁りました。そしてNPO法人日本ファシリテーション協会というものも知りました。そこに書かれていたファシリテーションの3つの分類が以下です。

組織系ファシリテーション
チーム活動の中での問題解決や組織活性化などに用いられる。ビジネス活動に一番なじみが深い分野であり、合理的な成果とスピードが何よりも求められる。
社会系ファシリテーション
まちづくり、コミュニティ、NPOなど、社会的な合意形成が必要となる場面で用いられる。共通の目標や課題を発見することが成果であり、納得感を高めるために、そこにいたるプロセスが重要。企業でいえば労働組合やCSR活動。
人間系ファシリテーション
人間教育、社会教育、学校教育、国際教育など広範囲の分野を含むファシリテーション発祥の地。内面的なプロセスに関わり、様々な学習のお手伝い。企業では参加型研修やキャリアデザインなどに用いられる。

NPO法人日本ファシリテーション協会 ~ファシリテーションとは~

私がファシリテーションという言葉を知ったのは地域おこし協力隊で活動している時でした。当時、地域のつながりが薄れている状況をいろんな人から「よそ者、若者、ばか者」と言われてきた私が地域や地域、地域や行政の間に入って活動をしてきただけだと思っていました。ただ単に「ファシリテーター」という言葉はナウでヤングでトレンディな呼び方だなとしか思っていませんでした。

ファシリテーションが持つ2つの側面

当時、携わる場にあったのは「課題解決型」の地域づくりです。途中で「価値創造型」もあることを知りましたが、きっと私は「課題解決型」の場しか経験できなかったです。

  • 課題解決型 顕在化している課題を解決に導くアプローチ
  • 価値創造型 新しい価値を提案し、その価値を形にしていくアプローチ

だから「価値創造型」の考え方をお持ちのファシリテーターと出会うと、自分って勉強不足だなと負い目を感じるようになった時もありました。今では、双方の側面は似て非なるもので行き来でき、双方を知っておかないといけないものだと感じています。

これまで経験した場におけるスタートラインはチームとしてのマイナスをどうゼロにしていくかでした。
階段を上っていくというよりは緩やかな坂道を登っていくイメージで、まずは相手の話を聞くことから。
相手が自治会という歴史あるチームであることからほとんどの方が親より年上で会話をする時は横文字を使わず聞きなじみのある言葉で表現するよう心がけていました。

一方で価値創造型のファシリテーターとお話をさせていただくと、企業を相手に活動していて1を2にも3にも…どうやって10に近づけるか考えるファシリテーターだと感じました。ビジネス書に出ている用語だったり、理論だったりツールを駆使して、新しい価値観をいかに広めていくかを模索できる場を提供している。すごいなという驚きが大きかったです。

今思えば双方は似て非なるもので課題解決の先に価値創造があったり、双方が重なって進んでいたりすることを知ることができ今に活かせています。 両方の視点を備えておくことが大切だと。

地域には双方の視点が大切

地域には「課題解決」「価値創造」の両方を持ち合わせたほうが明るい未来に向かっていけると日々感じています。地域の方とお話をさせていただくことはたくさんあり、そこには住み続けている人だから分かる地域の移り変わりをいろんな視点から聞くことができます。ある方はこんなことをおっしゃっていました。

「昔は近所の誰かに良いことがあればみんなで喜び、悪いことが起こればみんなで悲しんだり怒ったり、困ったことがあればみんなで解決ができた」

1970年頃から日本の至る所で都市計画が進み、 価値観や職業が多様化され、個人主義の傾向が強くなってきたことから地域活動は衰退の傾向にあると言われています。

時代の変化と言ってしまえばそれまでですが、もどかしいのは老朽化した建物が壊されサラ地になっていくような一日や一週間の一目瞭然の変化とは異なり、多年生植物の成長のように長い年月をかけて少しずつ形を変えていくような過程に気づきにくく、気づいた時にはガラリと様変わりしてしまっている変化だということです。

みなさんは自分が生まれ育った地域の将来がどのように変化してほしいですか?気付かないうちに変化してしまうくらいなら自分たちで進化をさせていくことも面白いと感じています。

“しきのー ちゅい しーじーしる くらする”

これは「世間は互いに助け合ってこそ暮らすもの」という意味の沖縄の風土の中で知恵と体験から生まれた黄金言葉です。

私がファシリテーターと名乗っている根幹にはこの言葉があります。

この記事を書いた人
北村 正貴

1985年群馬県桐生市生まれ、沖縄県糸満市在住、ファシリテーター。2013年より地域おこし協力隊として単身沖縄へ。糸満市内で地域コミュニティの再生や集落の自立的発展を目指し活動。2015年、沖縄、ふるさと百選(集落部門)受賞。2018年に北村ファシリテーション事務所を設立。「多様な人が集う場を対話のできる場に」をテーマに行政、コミュニティ組織(自治会/町内会/まちづくり協議会等)、NPO団体、市民団体、企業など社会課題の解決と新しい価値の創造に取り組む多様な主体のコンサルティング支援を行う。

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北村ファシリテーション事務所