行動指針
北村ファシリテーション事務所では、国際ファシリテーター協会(International Association of Facilitators)が示す
ファシリテーターの適性能力の指標「IAFコンピテンシー(Core Facilitator Competencies)」を行動指針に採用しています。
この指標とクライアントが持つ課題をかけ合わせ、最適な対話の場をデザインすることで課題解決や未来創造に向けたニーズに応えます。
IAFコンピテンシー
Core Facilitator Competencies
A. 創造的で協働的なクライアントとの関係性を創る
◼A-1 仕事上のパートナーシップを築く
・ 相互的なコミットメントを明確にする
・ 仕事の内容・成果・役割・責任を明確にする
・ コファシリテーション(2人で共同で行うファシリテーション)で⾒られるような協働の価値やプロセスを実践で⽰す
◼A-2 クライアントのニーズに合わせて適用をデザインする
・ 組織環境の分析
・ クライアントのニーズの診断
・ 意図された成果を達成するための適切にデザインをする
・ クライアントと共に、質の⾼い結果・成果を予め定義する
◼A-3 複数のセッションのイベントを効果的に管理する
・ 範囲と成果についてクライアントと契約を交わす
・ イベント計画を作る
・ イベントを成功させる
・ イベントまたはプロジェクトの全段階においてクライアントの満⾜度を評価する
B. 適切なグループプロセスの計画を立てる
◼B-1 以下のような明確な手法とプロセスを選択する
・ クライアントの⽂化・行動規範・参加者の多様性を尊重しながら、オープンな参加を促す
・ 様々な学習・思考様式の人々の参加を促す
・ クライアントのニーズに合った質の⾼い結果・成果を達成する
◼B-2 グループ・プロセスの時間と空間の準備を行なう
・ 会議の⽬的に合った物理的な空間を準備する
・ 効果的な時間の使い⽅を計画する
・ セッションの効果的な雰囲気や状況を提供する
C. 参加型の環境を作り出し維持する
◼C-1 参加を促し人に働きかける効果的なコミュニケーション・スキルを発揮する
・ 参加を⽀える様々なプロセスを応⽤する
・ 効果的な⼝頭のコミュニケーション・スキルを使う
・ 参加者に対する信頼関係を⾝に付ける
・ 積極的に傾聴を実践する
・ 参加者を観察しフィードバックする能⼒を発揮する
◼C-2 多様性を尊重・認識し、全員の参加を担保する
・ 参加者がグループの多様性からメリットを享受できるような機会を創り出す
・ ⽂化の違いに関する意識や感受性を醸成する
◼C-3 グループの葛藤を管理する
・ 底に潜む前提を参加者が認識し考えるよう助ける
・ グループが学習・成熟するための葛藤とその役割を認識する
・ 葛藤が表⾯化しても安全な環境を提供する
・ 秩序を破壊するようなグループの行動を管理する
・ 葛藤の解決を通じてグループを⽀援する
◼C-4 グループの創造性を呼び覚ます
・ 参加者のすべての学習・思考様式を引き出す
・ 創造的思考を奨励する
・ すべてのアイディアを受容する
・ グループのニーズと能⼒に最も合ったアプローチを使⽤する
・ グループのエネルギーに刺激を与え汲み上げる
D. グループが適切で有益な結果に到達するようガイドする
◼D-1 明確な手法とプロセスでグループをガイドする
・ セッションの前後関係や脈絡を明確にする
・ グループの感覚を引き出すために、積極的に⽿を傾け、問いを投げかけ、要約を行なう
・ ポイントを⾒つけ、⽬標に向かってグループの⽅向性を修正する
・ ⼤⼩のグループのプロセスを管理する
◼D-2 グループのタスクに関する自覚をファシリテートする
・ グループのニーズに応じて、活動のペースに変化をつける
・ グループが必要としている情報を特定し、 グループが持つデータや洞察を引き出す
・ グループがパターン・傾向・根本原因・行動への枠組みを統合できるよう⽀援する
・ グループが⾃らの体験を振り返る⼿助けを行なう
◼D-3 グループが合意形成と望ましい成果に到達できるようガイドする
・ グループの合意を得るための様々なアプローチを利⽤する
・ グループの⽬的に合った様々なアプローチを利⽤する
・ 状況の変化やグループのニーズに応じたプロセスを適⽤する
・ グループの前進を評価しそれを伝える
・ タスクの完了を促進する
E. プロフェッショナルな知識を⾝につけ、維持する
◼E-1 知識の基盤を維持する
・ マネジメント・組織システムおよび組織開発・グループの発達・⼼理学・葛藤解決についての知識を持っている
・ 変化のダイナミクスを理解している
・ 学習理論または思考理論を理解している
◼E-2 広範囲に渡るファシリテーションの手法を知っている
・ 問題解決および意思決定モデルを理解している
・ 様々なグループ⼿法やテクニックを理解している
・ グループ⼿法の誤った利⽤によってもたらされる結果を知っている
・ タスクや中味とプロセスの区別を理解している
・ 変化し新たに⽣まれてくるクライアントのニーズを⽀援するために、新しいプロセス・⼿法・モデルを学習する
◼E-3 プロフェッショナルとしての立ち位置を維持する
・ 私たちが関わる分野に関連する研究・学習を常に行ない続ける
・ 私たちの職業に関する新たな情報を常に意識する
・ 振り返りと学習を実践する
・ 業界に関する個人的知識とネットワークを構築する
・ 認定を維持する
F. プロフェッショナルとしてのポジティブな態度の模範を示す
◼F-1 自己評価・自己認識を実践する
・ 行動と結果について振り返る
・ 行動と、個人およびプロフェッショナルとしての価値観の間の⼀貫性を保つ
・ グループのニーズに合わせて、個人の行動やスタイルを修正する
・ ⾃分の価値観及びそれがクライアントとの仕事に影響をおよぼす可能性のあることを理解する
◼F-2 真摯に、誠実に行動する
・ グループを信頼していることや、グループには可能性があることを実践で⽰す
・ 真摯かつポジティブな態度で、状況にアプローチする
・ ファシリテーターの視点から⾒た状況を述べ、 参加者が新たな視点を持てるよう問いかける
・ プロフェッショナルとしての境界線と倫理 (「価値観及び倫理規定声明⽂」にある通り)の⼿本となる
◼F-3 グループの可能性を信じ、自然な態度で接する
・ グループの智恵を尊重する
・ 他者の能⼒や経験を信頼することを奨励する
・ グループの結論に対する影響を最⼩限にするよう気を配る
・ 客観的で、⾃⼰防衛的にならず、評価判断を下す⽴場をとらない態度を維持する
IAF Core Competencies / https://www.iaf-world.org/site/professional/core-competencies より転載