「多様な交流の機会創出」の試験的事業として、若者のネットワークを構築していく拠点である『(仮称)ITOMANヤングネットワーク』の創造する機会を目的としたワークショップを実施しました。今回、糸満市からの依頼でキックオフミーティングの企画運営を任せてくださいました。ワークショップでは多種多様な団体に所属する参加者が楽しみながら思いや考えを出し、いろいろな種が生まれました。
住民参加型のワークショップが求められる訳
糸満市は人口6万人の地域。これまで数々の「市民の意見を吸い上げる場」が持たれてきましたが、単に意見を集めるだけになってしまい、具体的な行動策に結びつかないため、行政も地域活動を行う団体もアイデアの引き出し方に課題を抱えていました。単に市民を集めて意見を吸い上げて終わりではなく、その先にある地域の理想像に近づけるよう具体的な対話の拠点や創造できる拠点が求められています。
はじめましての場だからこそできる強み
行政が主導する市民対象の話し合いは苦情や文句につながりかねないという懸念から、有識者のみに召集をかけたものが多いです。しかしながら、その場でも政治的な立場や市が請け負える限外があることから、集う場としてうまく機能することができなかった背景があります。
そんな中、今回は依頼の段階から参加者主体の場として成立させていきたいという思いを聞き、ゼロベースでスタートしました。
若手限定の場だからできる3つの強み
1つ目は「若者らしさ」。
まちづくりと考えると堅苦しく、年配の人が集まってやるものとどこか思われがち。つまり「誰かがやってくれる他人事」に近い。これを覆すには「思いのある若者」がまちを自分ごとと捉えられ、思いを出し、自発的な若者らしさを発揮できる場が必要です。
2つ目は「地域性」。
若手といっても、地域が好きなことに変わりはありません。若手に不足しているのは経験値。先輩がなんでもやってしまうことから若手の出る幕が少ないのが現状。若手に任せたいという声を聴くけど若手に任せきれない場面が多くあります。だけど若手の地域への思いは誰にも負けていない。だからこそ若者独自の視点で糸満市の魅力を考え、若者視点の地域資源を見つけ出し、形にできる「場」が必要です。
3つ目は「将来も当事者」。
まちづくりでよく見聞きすることが「子ども」と「高齢者」の政策。私はその間にいる世代の思いや課題が浮き彫りにされていないことが不思議に思っています。子どもはいずれ若者になるし、若者は年数経てば青年になり、もっと年数がたてば高齢者になる。とはいえ働き盛りの年代だからと「まちづくりの当事者」であることを忘れてはいけない。
個人を知りチームに活かしていくプログラム
エントリーチェック
多様な人が集うこの拠点では各参加者の意識や参加するうえで知っておきたい各メンバーの気持ちを知っておくために4つの質問に回答してもらう「エントリーチェック」を行いました。
「チーム」を知る
現代で求められる人物像やチームに所属するプレイヤーの視点を養うために、事例やデータを共有し座学を通じたレクチャーと個人ワークを行いました。
メンバーが満足できるチームとは
人がチームに抱く期待はバラバラ。だけどこのバラバラな期待があらかじめ共有されていることでよりつながりの太いチームになる。だからこそメンバーが思う理想のチームのあり方を共有しておく必要があります。
やってみたい事とやりたくない事
どのように進めていくチームか、どのように進めていく内容を決めていくチームかを事前に話し合っておくことで、行き詰まった時に全員が原点に戻って確認することができます。
各自が2枚のふせんに①チームでやっていたい事、②チームでやりたくない事を書いてもらいました。その後、緊急度と重要度のマトリクスに落とし込みました。
今回はキックオフミーティングのためほとんどのメンバーが初対面。だけど、対話を進める事前情報として「あの人は○○をやっている人」「この人は△△に所属している人」というフィルターが入ると先入観から個人の根幹にあるものを表に出すことができません。そのため、協議会としては珍しい「自己紹介は最後にする」を事前に説明し、全員が誰だか分からない状態で90分のワークを体験してもらいました。
6/29開催(仮称)ITOMANヤングネットワーク設立検討協議会 記録メモ(PDF)
ワークショップ終了後には「こんな話し合いの場を待ってた」、「いろんな場所でやってほしい」と嬉しい言葉を頂けました。 各自が自発性の持てる場の持ち方や経験したことないプログラムにより、参加者から面白い思いや考えを出してもらうことができました。次回はこのワークの内容をもとに階段を一歩ずつ登るように開催する予定です。